ベネチア、ムラーノ島でベネチアンガラスの工房を構える作家のドリアンさん。普段は、ムリーネを使用しミルフィオリのお皿を製作し、ベネチアにある2軒ほどのお店で販売しています。
ベネチアに行くとよくこんなことを言われます。
「ベネチアで販売されているガラス製品の９割は偽物なので気をつけなさい！」
そう、ベネチアで販売されているからといって、ベネチアンガラスとは限らないんです。日本で販売されているものが、全てMade in Japanとは限らないのと同じです。ベネチアで作られた本物のベネチアンガラスはほんの一部で、ほとんどは割安なMade in
Chinaのガラス製品なのです。このため、日本を含め世界中からくる観光客のほとんどは、知らずに「中国製のベネチアンガラス」を買って帰るそうです。
ドリアンさんは、日本でも本物のベネチアンガラスを知っている人はほとんどいないのでは？という不安が募り、ぜひ、大好きな日本で、本物のベネチアンガラスを広めたいという情熱から、少数ではありますが、Creemaを通じて「本物のベネチアンガラス」を日本で販売する運びとなりました。
40年以上ミルフィオリのお皿を製作してきたベネチアンガラスのマエストロであるドリアンさんは、大のガラス好きでもあります。ご自身でミルフィオリのお皿を製作する傍ら、同じムラーノ島で工房を構えるマエストロ仲間の作品も収集してきました。
ドリアンさんは、自分の作品だけではなく、20年〜40年一緒にがんばってきた他の工房のマエストロの作品もぜひ日本の方に知ってもらいたいと、貴重なコレクションの一部を譲っていただく運びとなりました。
一部は、既に閉鎖した工房のもの、亡くなったマエストロのものもあります。
一部は、50〜100年前のアンティークのものもあります。
一部は、素晴らしマエストロでありながら、ベネチア以外では売らないと頑なな職人気質のマエストロの作品もあります。
そのうちの一つが、今回出品する老舗の工房「Vetreria Tiozzo Sergio Di Tiozzo Claudio」の作品です。ベネチア（ヴェネツィア）ムラーノ島で親子二代にわたりベネチアンガラスのお皿やお椀、花瓶などを製作しています。
作品の製作に必要なムリー二も全て手作りで行うほどのこだわりの強い工房です。
本品は今から約30年以上前の作品です。
現在こちらの工房はミルフィオリプレートの作成をやめ
彫刻等のモダンアート作品を主に製作しています。
このため、こちらの工房で作られたミルフィオリプレートは
今後入手できないため、かなり貴重かつ稀少なものとなっています。
デザイは至ってシンプルですが、
極限まで丁寧で緻密な仕事をしています。
熟練した職人が数ヶ月かけて数十種類の金太郎飴状のガラスのビーズ(ムリーネと呼ばれる)を製作し、型に敷き詰めて、二度の焼成を経て成形し、一枚一枚丁寧に長時間かけて磨きあげた小皿です。
直径15cmの中皿サイズ、
高さが3cmほどあるので、お皿というより
小鉢（碗）や、ボウルに近い形状です。
赤、青、緑、白、黄、ピンク、オレンジ色等の多種多様なフラワームッリーニを配列した非常に可愛らしいお皿に仕上がっています。イタリア語ではミルフィオーリ（「千の花」という意味）とも呼ばれます。
ガラス作家のドリアンさん同様、こちらの工房の特徴は、使用するムリーネが細い点です。モレッティ社の約半分ほどです。手間がかかる分、より繊細で可愛らしいお皿に仕上がっています。
丁寧に作品を仕上げることにこだわり、お皿一枚の研磨に3時間もかけており、美しいマット仕上げは、優しく小気味よい手触りで、高級感があります。
個人的にかなりおすすめの一枚です！
サイズ
直径 約15 cm
高さ 約3 cm
