名品　栁生鍔　（桝形に上下猪の目透かしの図）

粘りの強そうな地鉄に桝形を鋤彫りで表し、その中に小孔と猪の目を透かした隅切り形の鍔でサイズは７１（対角８２ミリ）ｘ６８．５ 耳６．０ 切羽台 約５．５ミリで角耳仕立て 小粒の鉄骨や柾目鍛えが僅かに視認出来ます。３枚目の画像は柳生三十六歌仙図譜に掲載されている類似の意匠ですが柳生鍔には波の図柄の他にこのような桝形を利用した意匠の鍔が多々見受けられます。ご承知のように栁生鍔はあちこちの鍔工に型紙を送って作鍔させたようで当然 仕上がりの味合いも出品の鍔のようなザラザラ感の有る物やツルりとした磨き地の物やら色々な出来が有り一概には決められないようです。出品の鍔は石臼で何回も叩いても割れない、という伝承のような如何にも柳生 連也斎好みの出来で良い味の柳生鍔だと思います。